abstract1-j

[an error occurred while processing this directive]1

磁気センサ式３次元空間計測装置によるクレンチング時の頭位の観察

○木花八友，石島　勉，平井敏博

北海道医療大学歯学部歯科補綴学第１講座

　最大筋力を発揮するような身体運動時にクレンチングが伴うことが経験的に知られているが、このクレンチングがいかなる役割を果たしているかについては未だ不明である。そこで今回、このクレンチングが姿勢、特に頭位に対してどのような影響を与えるのかを明らかにするために、磁気センサ式３次元空間計測装置（POLHMUS社製、3SPACE-WIN）を用いて、頭位の測定を試みた。
　まず、頭位の測定に先立って、本装置のセンサ間相対角度（方位角、回転角、仰角）の精度について検定を行った。その結果、本装置のセンサ間相対角度の測定精度は、体幹に対する頭部の傾斜角度を測定するのに十分であることが確認できた。
　次いで、咬合支持状態を変化させた際のクレンチング時における頭位を測定した結果、クレンチング時における咬合のアンバランスが頭位に対して影響を与える可能性があることが示唆された。

ポスターを見る(終了しました)

プログラムへ戻る

2

ELF磁界による歯根膜誘導電流の有限要素解析

○福井康広，朴　基豪，木内陽介，山口久雄*，吉崎和男*

徳島大学工学部
*徳島大学医学部

　磁気医療応用の1つとして、ELF磁界による骨折治療が試みられている。著者らはこれまでELF磁界が培養骨芽細胞のコラーゲン合成を優位に増加させることを実験的に確かめ、ELF磁界が骨形成を促進する可能性を細胞レベルから検討してきた。この時、ELF磁界(60Hz)に誘導されるシャーレ内の平均電流密度は約7mA/(m*m)であり、この誘導電流がコラーゲン合成を促進しているものと考えられる。
　ELF磁界のコラーゲン合成促進は歯槽骨形成、再生に優位な可能性がある。この場合、歯根膜での誘導電流が重要な役割を果たすと考えられる。ここでは歯根膜に有効な電流を誘導するためのELF磁界の大きさ、方向について有限要素法をもとに検討している。犬歯、臼歯の3次元モデルを用い、ELF磁界(60Hz)の方向、大きさを変化させて歯根膜、歯肉に誘導される電流密度分布を求めた。その結果、例えば犬歯で近遠心方向に磁界を加えた場合、10mT程度の磁界で上記の7mA/(m*m)の電流を歯根膜内に誘導できることが分かった。

ポスターを見る(終了しました)

プログラムへ戻る

3

咬合力による歯の変形測定

○大塩恭仁，坂東永一，重本修伺，薩摩登誉子，郡　元治，西川啓介，中野雅徳

徳島大学歯学部第二歯科補綴学教室

　本研究は、高精度小型変位計を用いて咬合力発現時の、歯の変形測定を目的とした。被験者は、上顎左側第１小臼歯が天然健全歯である男性１０名とした（25～33才、平均年齢27.8才）。上顎左側第１小臼歯頬側歯面にセンサを装着し、咬合力負担部位を頬側咬頭、舌側咬頭および咬合面中央部とした時の、咬合力負荷時の歯の変形と咬合力の同時測定を行った。なお、咬合力はロードセルにて測定を行い、最大で20kgfになるよう指示した。各負担部位による変形量は、頬側咬頭荷重時19.7±24.8 nm/kgf、舌側咬頭荷重時5.62±4.28 nm/kgf、咬合面中央部荷重時 3.29±1.70 nm/kgfであった。頬側咬頭と舌側咬頭荷重時の間には変形量に有意差が認められ（Wilcoxon test p<0.05）、歯の変形量は咬合力負担部位により影響されることが示唆された。

ポスターを見る(終了しました)

プログラムへ戻る

4

ニューラルネットーワークを用いた磁気応用下顎運動計測システムに関する研究

○芥川正武，木内陽介*

徳島大学医療技術短期大学部
*徳島大学工学部

　下顎運動は咬合運動や顎関節症の診断等について重要な情報を含んでいると言われ、古くから様々な方法により計測が試みられてきた。ここでは下顎前歯部に小型磁石を固定し、周辺磁界分布から小型磁石の運動を求めることにより顎運動計測を行なうシステムについて検討する。周辺磁界分布から磁石の位置及び向きを求める問題は逆問題の一種であり、一般に解くことはできない。従来は繰り返し計算等を用いた手法が用いられてきたが、処理速度や精度等が十分ではなかった。本研究ではこの逆問題の解の推定に任意の関数の近似が可能なバックプロパゲーション・ニューラルネットワークを用いた、高速高精度な下顎運動計測システムを提案し計算機シミュレーションを用いてその有用性について検討している。その結果、位置および角度推定誤差は平均で7um、0.004度程度であることが分かった。これは限界運動野の計測等について、実用に耐え得る精度であると考えられる。

ポスターを見る(終了しました)

プログラムへ戻る

5

磁性アタッチメント義歯の破折強度に関する実験的検討

○田中貴信，野崎乃里江，岸本康男，出崎義規，佐藤　徹，中村好徳，村田幸一朗，小川英志，橋本直明

愛知学院大学歯学部歯科補綴学第一講座

　磁性アタッチメント「MAGFIT EX600」は安定した維持力、容易な操作性、良好な審美性、支台歯の負担軽減などの数多くの利点を有し、臨床での利用頻度が増加している。しかしながら、磁性アタッチメントを用いたオーバーデンチャーではアッタチメント上部に応力が集中しやすく、同部の床用レジンの厚みの確保が容易でないため、同部での義歯床の破折の危険性が大きくなり、実際に臨床現場でのトラブルも少なくない。しかし、臨床的にアッタチメント上部の床用レジンの厚みが具体的にどの程度必要であるかという報告はいまだされていない。
　そこで今回我々は、臨床的な義歯形態を模したレジンブロックを用いて、アッタチメント上部の床用レジンの厚みや、アッタチメント周辺部の床辺縁形態を想定したうえで、各種の条件を変化させると同時に、金属接着用プライマーの破折強度に及ぼす影響も含めて比較検討したところ若干の知見が得られたので報告する。

ポスターを見る(終了しました)

プログラムへ戻る

6

磁性アタッチメントの傾斜方向と角度の違いがオーバーデンチャーの維持力に及ぼす影響（第１報）

〇Yimin Zhao，杉本太造*，平沼謙二*，田中貴信*

第四軍医大学口腔医学院歯学部補綴科（中国）
*愛知学院大学歯学部歯科補綴学第一講座

　本研究の目的は、磁性アタッチメントの傾斜方向とその角度を変化させた時の、オーバーデンチャーの維持力を測定し、維持力を向上させる有効な方策を検討することである。
　標準的な下顎の模型上の両側犬歯と第二大臼歯部に4個の磁性アタッチメント（Magfit EX 600)のキーパーを各種の方向（水平、舌側、頬側、近心、遠心）へ傾斜させて設置した。その後、義歯床部に光重合レジンで4個の磁性構造体をセットして、オーバーデンチャーを作製した。これに対する引っ張り試験は垂直方向と60度の二方向、引っ張り速度は1mm/min,200mm/minの二種で、それぞれ各条件での最大維持力を測定した。その結果、興味ある知見が得られたので報告する。

ポスターを見る(終了しました)

プログラムへ戻る

7

シリンダ型磁性アタッチメントの特性解析

○手川歓識，木内陽介*

徳島大学医療技術短期大学部
*徳島大学工学部

　現在小型で吸引力の大きい磁性アタッチメントが歯科補綴の分野で用いられている。しかし磁性アタッチメントを構成する磁石構造体とキーパーの間に小さなギャップが生じると吸引力が急激に小さくなることがある（復元力特性がよくない）。そのため義歯の維持が困難になる事があるために、復元力特性のよい磁性アタッチメントが一方では望まれている。
　ここでは磁石構造体の新しい構造としてシリンダー型を提案する。特性比較のために２種類の市販磁石構造体の基本構造について、使用する磁性材料と外形を同じとしてそれぞれの構造における最大吸引力を得る最適構造を解析した。その結果、提案の構造であるシリンダ型は復元力特性が市販の構造より良好であった。また最大吸引力も大きい事が分かり、シリンダ型構造は優れた特性の磁石構造体である事が分かった。

ポスターを見る(終了しました)

プログラムへ戻る

8

3種類磁性アタッチメントの維持特性比較

○手川歓識，木内陽介*

徳島大学医療技術短期大学部
*徳島大学工学部

　現在，小型で吸引力の大きいカップ型およびサンドイッチ型の磁性アタッチメントが実用に供されている。しかし，磁石構造体と、キ－パ－との間にわずかな空隙（ギャップ）が生じると、吸引力が大きく低下する事があるため義歯の維持力，安定性が損なわれる恐れがある。
　我々は，ギャップの増大に対して吸引力低下の割合が少ない（復元力特性の良い）構造としてスプリットポ－ル改良型磁性アタッチメントを提案している。この構造はスプリットポール型の基本構造に対し，ギャップが生じた時に磁束がより効率的にキーパーに到達するように磁気回路に工夫を施した構造である。
　この提案の構造と市販されている２種類の磁性アタッチメントの基本構造について外形および構成材料などを同一として，それぞれ最適構造を解析によって求め、その特性を比較した。
　その結果，0.1mmのギャプが存在するときの復元力ははカップ型およびサンドイッチ型が24.8%および32.0%であるのに対し提案構造は53.6%であった。この事からスプリットポ－ル改良型構造は復元力特性の優れた構造であり，その原因はその磁気回路にあると思われる。

ポスターを見る(終了しました)

プログラムへ戻る

9

磁性ステンレス鋼の加熱と耐食性について

○高田雄京，飯島一法，羽岡克規*，相田光治郎*，菅野太郎*，中山孝文**，木村幸平*，奥野　攻

東北大学歯学部歯科理工学講座
*東北大学歯学部歯科補綴学第一講座
**(財)電気磁気材料研究所

　磁性ステンレス鋼製のキーパーは、一般には根面板に鋳接され、鋳型と同様の加熱を受けることが多い。ステンレス鋼を不用意に加熱すると、鋭敏化されて耐食性の低下を招くことが知られており、キーパーも例外とはいえない。耐食性に優れた磁性ステンレス鋼がキーパー材として使用されているが、鋳接時の加熱によって、磁性ステンレス鋼本来の耐食性が劣化し易くなる危険性もある。そこで、磁性ステンレス鋼のSUS444およびSUS447J1を鋳型の加熱温度付近で熱処理し、耐食性への影響をアノード分極と金属組織から検討した。SUS444およびSUS447J1を600～700℃で5時間係留すると、孔食電位の低下や不動態化保持電流密度の増加が現れた。SUS447J1の金属組織には微細なシグマ相が析出し、その周囲にCrとMo濃度の低い領域が存在したことから、この温度域での長時間加熱は耐食性の劣化を引き起こす原因となることがわかった。

ポスターを見る(終了しました)

プログラムへ戻る

10

磁性ステンレス鋼の歯科鋳造に関する基礎的検討　第一報　埋没材について

○相田光治郎，羽岡克規，菅野太郎，木村幸平，高田雄京*，飯島一法*，奥野　攻*，中山孝文**

東北大学歯学部歯科補綴学第一講座
*東北大学歯学部歯科理工学講座
**(財)電気磁気材料研究所

　我々は、外冠にFe-Pt磁石合金、内冠に磁性ステンレス鋼を用いた磁性可撤式クラウンブリッジの開発を行っており、外冠については、菅野、羽岡らによって基礎的検討が行われている。しかし、内冠に用いる歯科鋳造可能な磁性ステンレス鋼については、未だ検討されていない。磁性ステンレス鋼の歯科鋳造が可能となれば、自由な形態が付与できるキーパーの製作が可能となり、既製磁性アタッチメントにも応用できる。
　本研究は、歯科鋳造可能な磁性ステンレス鋼によるキーパーの開発を目的に、磁性ステンレス鋼の歯科鋳造に関する基礎的検討を行うものである。
　今回は、市販の6種の埋没材を用いて、既製磁性アタッチメントのキ－パ－として広く臨床に応用されている磁性ステンレス鋼SUS447J1を歯科鋳造し、鋳造体と埋没材との反応や鋳造体の表面粗さを調べた。また、その結果良好な埋没材に対して、鋳込み率を測定し、この合金の歯科鋳造の可能性について検討した。

ポスターを見る(終了しました)

プログラムへ戻る

11

白金鉄系磁石合金を用いた磁力に維持を求める可撤式鋳造補綴物の開発

○羽岡克規，相田光治郎，菅野太郎，笠原　紳，木村幸平，高田雄京*，奥野　攻*，中山孝文**

東北大学歯学部歯科補綴学第一講座
*東北大学歯学部歯科理工学講座
**(財)電気磁気材料研究所

　我々は、磁力維持の可撤式クラウン・ブリッジを臨床に応用する方法として、従来の磁性アタッチメントを用いずに、外冠に白金鉄系磁石合金、内冠に磁性ステンレス鋼を利用し、それぞれを歯科鋳造により製作する、全く新しいクラウン・ブリッジを考え、検討を行ってきた。その結果、白金鉄系磁石合金の鋳造後の表面粗さ、磁気特性、吸引力を良好にする、合金組成や鋳造条件などが明らかとなり、鋳造後も、補綴学的に十分な吸引力が得られることがわかった。また、鋳造体の耐食性は白金に匹敵するものであり、機械的性質も伸びは小さいものの十分な強さをしめし、理工学的にも臨床応用可能な合金であることが明らかとなった。さらに、磁性ステンレス鋼の鋳造についても、歯科鋳造の可能性が示唆されている。今回は、上記の研究の結果をくわしく紹介するとともに、歯科以外の分野への応用の可能性についても議論したい。

ポスターを見る(終了しました)

プログラムへ戻る

12

SUS446ステンレス鋼球状フィラーを用いた磁性コンポジットレジン

○小山貴生，松本亀治，森戸光彦，平野　進*

鶴見大学歯学部高齢者歯科学講座
*鶴見大学歯学部歯科理工学講座

　先にSUS444ステンレス鋼をフィラーとした磁性コンポジットレジンを試作し､その諸性質について発表した。今回、耐食性に優れていると考えられるSUS446ステンレス鋼をフィラーとした磁性コンポジットレジンを試作した。フィラーは､NIST（National Institute of Standards and Technology）で作製した球状のSUS446ステンレス鋼（<20μm）である。マトリクスレジンは、bisGMA/TEGDMA＝6/4を採用し、いわゆる2ペースト化学重合型コンポジットレジンを作製した｡フィラー充填率は93wt％まで高まり、その硬化時間は約3分であった｡その測定結果は、飽和磁束密度： 8400G 、曲げ強さ：64（3）Mpa、弾性率：17.3（0.8）Gpaであった。磁石との吸引力試験では、前回報告を上回った成績が得られ、溶出試験結果も加えて報告する。

ポスターを見る(終了しました)

プログラムへ戻る

13

キーパートレー（Keeper - tray）を用いたキーパーのセメント固定法に関する実験的検討

○田中貴信，中村好徳，石田　隆，津田賢治，水谷憲彦，金澤　毅，出崎義規，佐藤　徹，岡田通夫*

愛知学院大学歯学部歯科補綴学第一講座
*愛知学院大学歯学部附属病院技工部

　現在、磁性アタッチメントキーパーの根面板への固定は鋳接法にて行われている。しかし、最近鋳接時の加熱や鋳造収縮によるキーパーの表面荒れや変形、また鋳接面の腐食などの問題が指摘されている。
　そこで今回我々は、従来の方法と異なり、根面板のワックスアップ時に既製のレジンパターンを用いてキーパーのスペースを確保し、鋳造後同部にキーパーをセメント合着する方法を考案した。これに関する基礎実験として、キーパーと根面板を歯科用レジン系セメントにて合着後に槌打試験を行い、キーパーと根面板とのセメント層の耐久性を検討した。また、槌打試験後にセメント層への色素侵入試験も行い、キーパーと根面板との境界部を光学顕微鏡にて観察した。
　今回はキーパートレーと名付けたこのレジンパターンを用いた新しい臨床術式の概略とこれらの実験結果について報告する。

ポスターを見る(終了しました)

プログラムへ戻る

14

鋳造による磁性アタッチメント用キーパーへの影響　第２報　鋳造方法による影響

○浅野彰夫，岩堀正俊，堺　　誠，都尾元宣，山内六男，長澤　亨

朝日大学歯学部歯科補綴学講座

　磁性アタッチメントに用いられるキーパーは根面板に鋳接されて使用されているが、キーパーと鋳造用合金との接合状態の詳細については明らかにされていない．われわれは、キーパーと鋳造用合金との接合状態やこれに影響を及ぼす鋳造条件を明らかにすることを目的とし，加圧吸引鋳造機，鋳型の係留温度を変化させた場合について検討を加えた．その結果、両者の間には間隙と反応層を含んだ黒色層が存在し，この幅は鋳型の係留温度に影響を受けることを報告した．
　今回は、鋳造方法の違いによる影響について検討するため、遠心鋳造機と真空圧迫鋳造機を用いて実験を行ったので報告する．

ポスターを見る(終了しました)

プログラムへ戻る

15

磁性アタッチメントの臨床的観察

○水谷　紘，小竹雅人，中村和夫，藍　　稔

東京医科歯科大学歯学部歯科補綴学第１講座

　磁性アタッチメントが臨床応用されるようになってから10年以上が経過した。磁性アタッチメントは維持力を発揮するのに摩擦力でなく磁石の吸引力を利用するため維持力に永続性があり、ディジタル化でき、加うるに側方力がかかりにくいなどの利点がある。しかし、一方口腔内での腐食、咬耗、熱による維持力の低下などの問題については明白でない。本研究の目的は部分床義歯の維持装置として患者の口腔内に使用した磁性アタッチメントの咬耗、維持力、腐食などの経時的変化や支台歯の動揺、骨吸収、ポケットの変化について観察することである。資料は演者らが直接治療した患者50人（男17人、女33人　平均68.7歳）で義歯装着期間は0.5～6.5年である。調査項目は磁性アタッチメントについては1）変色、2）腐食、3）咬耗、4）維持力であり、支台歯については、1）ポケットの深さ、2）動揺度、3）Ｘ線写真線による歯槽骨レベルの高さ、4）支台歯周囲の歯肉の腫脹である。結果の概要は以下のごとくである。
1）磁性アタッチメントについて
(1)腐食については1例も認められなかった。
(2)変色については75個のうちの3個に認められた。
(3)咬耗は5.5年経過のものでも軽度であった。
2）支台歯について
(1)磁性アタッチメントを使用することによりポケットの深さが減少する症例が多く見られた。
(2)磁性アタッチメントを使用することにより動揺度が減少する症例が多く見られた。

ポスターを見る(終了しました)

プログラムへ戻る

16

磁性アタッチメントを応用した義歯の補強法

◯小野寺進二，花谷重守，細井紀雄，吉川建美，鎌田奈都子

鶴見大学歯学部歯科補綴学第一講座

　部分欠損補綴を行う場合，支台歯の選定や支台装置の選択は，義歯設計にあたって重要な部分を占めており，患者の使用感や義歯の経過に大きく影響する．最近，比較的応用範囲の広い支台装置として磁性アタッチメントが用いられている．しかし，スタッド・アタッチメントやコ－ピングを用いた義歯は破折や支台歯周囲組織に炎症を起こしやすい欠点を有している．磁性アタッチメントをオ－バ－デンチャ－の支台歯として利用する場合，義歯製作時にあらかじめ補強を行い，破折を防止することが必要である．今回，磁性アタッチメントを用いるにあたり，義歯の補強を考慮し，1)通常の設計による金属床で補強したもの，2)金属床を人工歯の歯頚部まで延長して補強したもの，3)金属床と金属歯とを一体化して補強したもの，以上３方法で設計製作を行った金属床義歯の症例を紹介する．

ポスターを見る(終了しました)

プログラムへ戻る

17

インプラント症例に応用したキャップ式磁性アタッチメント(MACS)

○田中譲治，星野和正，水谷　紘*

日本インプラント臨床研究会，MACS研究会
*東京医科歯科大学歯学部歯科補綴学第１講座

　磁気エネルギーという特殊な維持力をもつマグネットは、従来の機械的維持装置にない様々な特性を持ち、優れた維持装置として注目を集めている。しかし、マグネットの取り付けの際の不手際により、マグネットの位置ずれや使用中のマグネットの脱落を生じさせることがある。さらに磁気共鳴画像（MRI）に及ぼす悪影響、鋳接や酸処理によるキーパーの劣化など幾つかの問題点が残されている。そこで、これらを解決するとともに利点と応用範囲を広げたキャップ式磁性アタッチメント（MACS）を開発しているので、ここではインプラントに応用した症例を中心に報告する。

ポスターを見る(終了しました)

プログラムへ戻る

18

徳島大学歯学部附属病院補綴診療科における磁性アッタチメント臨床経過調査

○松浦広興，池田隆志，坂東永一，鈴木　温，中野雅徳

徳島大学歯学部第二歯科補綴学教室

　徳島大学歯学部附属病院補綴科では，平成4年6月から歯科用磁性アタッチメント“マグフィットシリーズ”の臨床治験と副作用調査に参加しており，今回，治験158症例を対象として副作用調査の結果と本院共通カルテに記載された臨床経過について報告する．使用した補綴物の種類は，全部床義歯76床，部分床義歯71床，顎義歯８床，可撤式橋義歯３床であり，アタッチメント使用数は合計256個，義歯一床あたり1.62個，部位別の使用頻度は犬歯，第１小臼歯，第２大臼歯の順に多かった．その結果，アタッチメントの腐食，破損は全く認められず，義歯の審美性，機能性に関する患者の満足度，安全性，有用性についての総合評価もほぼ良好であった．しかし，磁石構造体脱離，義歯破折，根面板脱離，支台歯の抜歯などの問題点が59症例のべ104例認められた．これらの原因として多くの要因が考えられるが，本来ならば保存不可能と考えられる歯に応用した場合や，最終補綴までの暫間的使用などの症例が多かったことも一因と推察される．

ポスターを見る(終了しました)

プログラムへ戻る

19

磁力による歯牙小移動

○佐々木英機

徳島市開業

　日常診療においてしばしば正中離開の症例に遭遇する。この原因は1|1間の過剰歯埋伏、歯肉形態異常、隣在歯の形態、萌出異常等、ケースにより異なる。今回、隣在歯が矮小歯に起因する1|1間正中離開のため来院した2症例について報告する。
　症例(1)は、平成7年9月28日、症例(2)は平成7年4月8日、いずれも審美障害、発音障害を主訴として来院した。治療方法は，2x2x3mm直方体のサマリュゥームコバルト磁石を，1|1唇面に歯科コンポジットレジンで装着し，磁力による矯正治療をはかった．症例(1)は約1週間で歯牙移動を完了し，隣在歯に補綴処置を行ない，審美性回復と，固定をはかった．
　症例(2)は，約2週間で歯牙移動を完了し，若年者であることから21|12間に保隙装置を装着した．磁力による正中離開の歯牙移動は，操作が簡便であり，短期間内に移動をはかることができた．又，移動後磁石はそのままで保定ができた．1年後経過観察では，歯根吸収等異常所見は見られなかった．

ポスターを見る(終了しました)

プログラムへ戻る

20

磁性アタッチメントを使用したオーバーデンチャー

○佐々木英機

徳島市開業

　磁性アタッチメントが一般に普及し，約6年経過したが，その有用性が日本磁気歯科学会で，多数症例報告されている．今回，磁性アタッチメントを使用した無口蓋義歯の経過観察を行なったので報告する．
　患者は平成4年5月29日(3)21|1(2)(3)架工義歯破損，脱落による咀嚼障害の為来院した．口腔内所見3|2357 C4 42-|-16(上) 6 | 4-7(下) MT765|歯牙動揺，高度の咀嚼障害が認められた．処置は|7歯牙破折による疼痛，歯根病変により抜歯．3|235は保存処置を行なった．治療方法は，残存歯冠崩壊著しいことから磁性アタッチメント適応症と診断し，3|235に根面板を装着した．使用した磁石構造体はハイコレックスMD，大きさは直径4mm厚さ1.5mmであった．
　義歯の維持安定は主として磁力によるものであったが1歯あたり300g程度の吸引力が期待できることから無口蓋義歯を作成した．患者は咀嚼，発音に異常なく，十分満足し経過良好であった．
　平成10年10月30日，経過観察を行なった．|2動揺が著しいが，咀嚼時疼痛がない為，経過観察，その他は異常なく経過良好であった．

ポスターを見る(終了しました)

プログラムへ戻る

Copyright (C) 1999 The Japanese Society of Magnetic Applications in Dentistry. All rights reserved.