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1
磁性アタッチメントのヒト歯肉上皮細胞におよぼす影響
○松木光洋,岩堀正俊,楠本 豊*,小川知彦*,長澤 亨
朝日大学歯学部歯科補綴学講座
*朝日大学歯学部口腔細菌学講座
義歯用磁性アタッチメントがもっとも近接する組織は歯肉上皮層であると考えられる。本研究は、磁場がヒト歯肉の構成細胞の1つである歯肉上皮細胞の定着および増殖におよぼす影響ならびに同細胞より分泌される炎症性サイトカインであるインターロイキン8(IL-8)の産生誘導について検討した。ヒト歯肉上皮細胞は、HuMedia-KG8培養液中で、磁石を設置および設置しない条件下で培養した後、細胞をメチレンブルーにて染色し、磁場の増殖におよぼす影響について顕微鏡下で観察した。培養上清中のIL-8の産生誘導については、培養上清を回収しELISA法により測定した。
結果と考察:以上の結果より、義歯用磁性アタッチメントはヒト歯肉上皮細胞の増殖には影響はなく、ヒト歯肉組織に対して磁場の安全性が示唆された。また、供試した磁石によるIL-8産生誘導はみられず、歯肉組織における炎症を惹起することはないと考えられる。
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2
骨芽細胞に及ぼすELF正弦波交流磁界の影響
○樫本英樹,朴基豪,細川敬子*,池原敏孝*,木内陽介,山口久雄*,吉崎和男*,宮本博司**
徳島大学工学部
*徳島大学医学部
**徳島文理大学家政学部
ELF磁界は難治性の骨折治癒に有効であることが報告され、Ca2+が関係する生体機能に影響を及ぼすことが実験的に証明されている。このような現象の基礎的作用機序を明らかにするため、著者らはELF磁界の培養骨芽細胞への影響について検討してきた。特に分化の指標となるALP活性が磁界により有意に上昇した。そこで本研究では、細胞内のCa2+濃度変動経過を観察することによって骨芽細胞の増殖と分化に及ぼすELF領域(60Hz,3mT)の正弦波交流磁界の影響を調べた。その結果、骨芽細胞に刺激剤ブラディキニン等を作用したときに見られるCa2+濃度の一過性の増加における細胞内Ca2+濃度のピーク値に及ぼすELF正弦波交流磁界の影響は、増殖期では抑制されるが、分化期では反対に促進されるという効果が得られた。このことから細胞内のCa2+濃度の調節機序に及ぼす磁界効果に細胞増殖と分化において差異があることが示唆された。
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3
クロマフィン細胞の細胞内Ca2+増加機構に及ぼす1.5T変動強磁界の影響
◯池原敏孝,樫本英樹*,朴 基豪*,木内陽介*,細川敬子,芳地 一**,山口久雄,吉崎和男,宮本博司***
徳島大学医学部第一生理
*徳島大学工学部電気電子工学科
**徳島大学医学部附属病院薬剤部
***徳島文理大学家政学部
著者らは培養細胞を用いて細胞膜1価イオン輸送への影響について研究を行い、Na+,K+ポンプやK+チャネルを介するK+の細胞内取込みが変動磁界により有意に抑制されることを報告した。今回、同じ変動磁界を用い、副腎髄質由来のクロマフィン細胞の細胞内小胞体よりのCa2+放出が変動強磁界に強く阻害されることを見い出した。そこで、磁界による阻害機構を詳しく知るため、以下の実験を行った。クロマフィン細胞にブラディキニン(BK)を作用させると、IP3生成が促進され、このIP3が細胞内小胞体からのCa2+放出を促進させる。このBKによるCa2+放出が最大1.5T、3秒間隔の変動磁界曝露により強く抑制された。この磁界曝露による抑制作用は、BK濃度の上昇、膜透過性を増大させた細胞でのIP3導入に関わらず生じた。しかし、タプシガルギン添加により誘導される細胞外液からのCa2+流入は抑制されなかった。これら変動磁界による抑制は誘導電流による影響が考えられる。
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4
磁性アタッチメントの断面積等の違いが加熱時の吸引力低下に及ぼす影響
○中村和夫,小竹雅人,水谷 紘,大山喬史
東京医科歯科大学歯学部歯科補綴学第一講座
磁性アタッチメントは口腔内という限られたスペースで使用されるため、小型,高吸引力化が強く求められてきた.このような要求に対応するため磁性合金,磁石の両面から種々検討がなされ、磁性アタッチメントの磁石については磁気特性の優れたネオジム磁石が使われるようになった。しかし、ネオジム磁石は従来のサマリウムコバルト磁石と比較して耐熱温度が低く、加熱操作に対してはより一層の注意が必要である.磁石の総磁束量は磁化方向に直交する磁石断面積に比例するため高吸引力を得るには断面積の大きいものが望ましいが,熱減磁特性に影響する動作点は磁石断面積に反比例し,磁化方向の長さに比例する.さらにキーパーと磁石構造体を吸着させるか否かによっても動作点が変わることが知られている.今回、各種磁性アタッチメントについて、断面積の違いやキーパーと磁石構造体との吸着の有無が加熱時の吸引力にどのような影響を及ぼすかについて検討したので報告する.
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5
1方向磁化シリンダ型磁性アタッチメントの磁気特性解析
○手川歓識,木内陽介*
徳島大学医療技術短期大学部
*徳島大学工学部電気電子工学科
現在、実用に供されている磁性アタッチメントの基本構造はカップ型とサンドイッチ型である。筆者らはシリンダ型磁性アタッチメントの構造を提案し、この構造の磁化方向4種類について磁気特性を解析し比較を行った所、磁石の着磁が最も容易であろうと思われる1方向磁化型だけが磁性アタッチメントに必要とされる吸引力が得られなかった。そこで、磁石構造体磁気回路に改良を加えた構造について検討を行った結果、吸引力は改良前の2倍以上となり、復元力は、磁石構造体とキーパー間のギャップが0.1mmでは2種類の市販型構造の約50%であった。これらの結果、この構造はギャップがゼロの時の吸引力が大きく、ギャップの増加により復元力は急激に低下する特性である事が分かった。この構造は条件のあまり良くない支台歯を利用した歯科補綴物の維持に有用であると思われる。
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6
各種磁性アタッチメントの基本特性の比較
○木内陽介,手川歓識*,芥川正武*
徳島大学工学部電気電子工学科
*徳島大学医療技術短期大学部
現在、カップ型およびサンドイッチ型の磁性アタッチメントが実用化されている。筆者等はスプリットポール型およびシリンダ型磁性アタッチメントを開発してきた。本研究の目的は上述の4種類の磁性アタッチメントの基本特性の相違を明らかにすることである。磁石構造体はその外径および使用材料を同一として解析を行い、維持力、復元力、構造、着磁等の項目について比較を行った。スプリットポール型は3磁石型、またシリンダ型はスリットを設けた1方向型と4方向磁化型について検討した。維持力ではサンドイッチ型、スプリット型、カップ型、シリンダ型1方向、シリンダ型4方向の順に大きくなる。復元力ではシリンダ型1方向磁化が最小でスプリットポール型が最大、他の構造はその間にあり比較的似ている。サンドイッチ型、スプリットポール型は磁石構造体を高くすると吸引力が大きくなる。シリンダ型1方向磁化型、カップ型はキーパー高さを低くしても吸引力低下が他の構造より少ない。着磁の容易さではサンドイッチ型、カップ型、シリンダ型1方向型が比較的容易であると思われる。
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7
ニューラルネットーワークを用いた磁気応用下顎運動計測システム
-試作機による性能評価-
○芥川 正武,木内 陽介*
徳島大学医療技術短期大学部
*徳島大学工学部電気電子工学科
我々は下顎運動計測システムとして,下顎前歯部に取付けた小型磁石による磁界から,
ニューラルネットワークを用いて下顎運動を多自由度で計測するシステムを提案し,
その有用性について検討してきた.計算機シミュレーションによると精度,速度とも
実用に耐え得る高精度,高速な測定が可能であることが示されていた.
今回,運動領域を10cm x
10cm,回転角360度とした試作機を製作し,位置および角度
精度を計測した.その結果,運動領域の中心を原点とした直径10cmの円周上での位置
誤差は0.5から9.4mm,方向誤差は0.02から2.77度程度であった.これは計算機シミュ
レーションの結果よりも劣るものの,磁気センサの精度の向上や,ニューラルネット
ワークの学習に数値モデルではなく,試作機により実測したデータを用いることによ
り測定精度の改善が期待でき,さらに3次元運動計測にも拡張可能であると思われる.
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8
Multi-point Magnetic Measurement System
for Jaw Movement Using Neural Networks
○Zhang Xu, Masatake Akutagawa*, Yohsuke
Kinouchi
Faculty of Engineering, The University of Tokushima
*School of Medical Sciences, The University of Tokushima
To measure the position and orientation of magnet is a kind of
inverse problem. It is difficult to solve this problem using
traditional methods for we need real time measuring. The usage of
BPNN (Back Propagation Neural Networks) to solve the above problem
has been reported. It gave us faster processing and higher accuracy.
In this study, attaching magnets of double dipoles to two points
inside of the jaw is proposed. Here, we simulated the movement of the
jaw by estimating the distance between the 2 dipoles by calculating
the positions of the dipoles mentioned above, also the direction of
each dipole. A simulation model was setup with putting 24 sensors on
top points of a cube model, each top point consists of three sensors
to receive magnetic flux density. According to computer simulation,
average errors of 6% for position and 0.7degree for orientation was
gotten respectively. The result shows this measurement system can be
applied for the practical use of the jaw movement.
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9
咀嚼時の歯の6自由度運動
○三好礼子,薩摩登誉子,坂東永一,重本修伺,中野雅徳,池田隆志,西川啓介,郡 元治
徳島大学歯学部第二歯科補綴学教室
各種被験食品を咀嚼したときの歯の6自由度運動を,磁気空間を利用した高分解能6自由度運動測定器を用いて測定し,咀嚼第1ストロークの閉口相に焦点を当て解析した. 被験者として健康な成人男性1名(32歳)を選択し,上顎右側第一小臼歯の運動を上顎左側第一小臼歯を参照歯として測定した.被験食品としてりんご,プリッツ,ピーナッツ,グミ,かまぼこを用いた.咀嚼第1ストロークの閉口相において,歯は45〜128μm移動し,-0.28〜0.14°回転していた.このとき被験歯咬合面中央部は近心頬側歯根方向に移動する例が多かったが,異なる経路をとることもあった.プリッツを咀嚼したときの歯の移動量は他の食品に比べて小さかった.また歯の沈下量は,ピーナッツやグミのような比較的硬い食品において大きくなる傾向があった.これらより咀嚼に際し歯は,その時の咬み方により移動や回転の方向や量が変わるものと考えられる.
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10
新磁性コンポジットレジンを用いた臨床例
○松本亀治,小山貴生,森戸光彦,平野 進*
鶴見大学歯学部高齢者歯科学講座
*鶴見大学歯学部歯科理工学教室
磁性アッタチメントの応用範囲を拡大し、チェアサイドで作業できる目的で開発されたコンポジットレジンを用いて、使用中の義歯の吸引、吸着力を回復した症例を報告する。1997年に平野により開発され、その後改良を加えられた磁性コンポジットレジンはSUS446の球状フィラーを用いた化学重合型のコンポジットレジンでその物性は曲げ強さ71(5.9)Mpa、弾性率15.7(0.7)Gpaで硬化時間は口腔内での操作性を考慮し3分21秒(8秒)に調製されている。また、吸引力は現在用いられているキーパー(610gf使用時)の約40%(230gf)が得られている。1981年に審美・咀嚼障害を主訴に13,
12, 11, 21,
22を支台としたコーヌスクローネdentureを装着、15年経過後支台ごと脱離した歯根面に応用した。今回は術式および経過について報告する。
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11
磁性アタッチメントのインプラント義歯への応用
◯山縣徹哉,山縣健佑,金 修澤,小村朋己,河野勇治,北川 昇,西尾允秀
昭和大学歯学部第二歯科補綴学教室
磁性アタッチメントは支台歯に対する負担を軽減できる維持装置として、日常臨床で多く使用されている。インプラント義歯への磁性アタッチメントの応用も種々試みられているが、特に無歯顎者および口蓋裂、顎欠損者など、通法の義歯では維持が困難な症例に対するオーバーデンチャーでの利用価値が大きいと思われる。オーバーデンチャーには、1.全部床義歯の形態でバーアタッチメントとマグネットで補助的な維持を期待する。2.上顎では部分的なバーアタッチメントにより無口蓋義歯で床面積の減少をはかる。3.可撤性ブリッジ、など種々の適用が可能であるが、粘膜負担型とインプラント支持型では設計、製作術式の要点が異なる。そこで、本報告では、主としてバーアタッチメントによる、確実で能率の良いオーバーデンチャーの製作手順を紹介する。
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12
磁性アタッチメント使用中に金属アレルギー様症状を呈した一症例
○笠原 紳,樋口繁仁*,奥田禮一*,木村幸平
東北大学歯学部歯科補綴学第1講座
*東北大学歯学部歯科保存学第2講座
某開業医ですでに数種の歯科用金属(Ag合金,Ag-Pd-Au合金,Ni-Cr合金,陶材焼付用合金)による歯冠補綴が施された患者に,G社製磁性アタッチメントを応用した部分床義歯(右下臼歯部)が装着された.半年経過後,顔面以外の全身皮膚に湿疹が発症し,皮膚科において金属アレルギーと診断され,当病院を紹介された.パッチテストと口腔内歯科用金属元素の精査を行い,磁性アタッチメント義歯の使用中止を指示した.約2ケ月経過後,症状はほとんど消退した.本症例では,磁性アタッチメント装着前において症状がなく,さらに装着中止後症状が消退したことから,
1)
磁性アタッチメントのステンレスカバーの破壊による磁石構造体構成元素の溶出によるアレルギー発現
2)
アタッチメント装着による金属同士の接触腐食による金属イオン溶出の増加によるアレルギー発現
が考えられる.
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13
磁性アタッチメント義歯のリライニングに関する考察
○増田達彦,田中貴信,中村好徳,津田賢治,金澤 毅,石田 隆,
出崎義規,野崎乃里江,東山真理子,山本浩子,宮内英満子
愛知学院大学歯学部歯科補綴学第一講座
磁性アタッチメントは、歯に優しく、臨床術式が比較的簡便で、適応範囲が広いなどの利点を持った装置として多くの臨床現場で活用されている。しかし、磁性アタッチメント義歯も通常の義歯と同様に、長期間の使用により、顎提の変化を来し、リライニングが必要となる場合もある。磁性アタッチメント義歯の場合、通常のリライニング操作では、磁性アタッチメントの要とも言うべき、磁石構造体とキーパーの密着性が損なわれ、磁性アタッチメントとしての本来の機能が大幅に低下することが危惧される。当講座で行っている有限要素法による3次元磁場解析からも、磁石構造体とキーパーの間にわずかな磁気的空隙が生ずるだけで、その吸引力が大幅に減弱するという結果が示されている. そこで今回、磁性アタッチメント義歯に対するリライニング操作について、臨床的な試行錯誤の結果、比較的合理的であると判断し、現在我々が行っている直接リライニング法と間接リライニング法に関する臨床技法を紹介する.
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14
白金鉄系磁石合金のクラウンブリッジへの応用
−磁性ステンレス鋼との接触腐食について−
○羽岡克規,菅野太郎,木村幸平,高田雄京*,奥野 攻*
東北大学歯学部歯科補綴学第一講座
*東北大学歯学部歯科理工学講座
現在我々は,白金鉄系磁石合金と磁性ステンレス鋼を用いて,歯科鋳造により補綴物を製作し,その維持を磁力に求める新しい可撤式補綴物の検討を行っている.これまでに両合金は歯科鋳造が可能であり,白金鉄系磁石合金の磁気特性などから歯科応用が可能であることを報告してきた.今回は白金鉄系磁石合金を口腔内で使用することを想定し,合金単独の場合と両者を組み合わせた場合の腐食挙動を電気化学的測定,浸漬試験により検討した.使用材料は白金鉄系磁石合金の基本組成であるFe-39.5Pt-0.75Nb(mole%)合金の鋳造体と,高い耐食性を示す磁性ステンレス鋼SUS447J1とSUS444である.37℃の生理食塩水を使用した溶出試験では,各合金単独では,他の歯科用合金と比べても,同等あるいは少ない溶出量で非常に耐食性に優れていた.しかし,組み合わせた試料による溶出試験では,どちらのステンレス鋼においても腐食が促進され,激しく腐食が生じるものもあった.
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15
磁性ステンレス鋼の歯科鋳造に関する基礎的検討
ー磁気特性と吸引力ー
相田光治郎,羽岡克規,菅野太郎,木村幸平,高田雄京*,奥野 攻*,中山孝文**
東北大学歯学部歯科補綴学第一講座
*東北大学歯学部歯科理工学講座
**(財)電気磁気材料研究所
我々は,外冠に白金鉄系磁石合金,内冠に磁性ステンレス鋼を用いた可撤式クラウンブリッジの開発を行っており,外冠については,菅野,羽岡らによって基礎的検討が行われ歯科鋳造の可能性が示唆されている。内冠に用いる磁性ステンレス鋼SUS447J1については,現在までに表面粗さと鋳込み率の検討を行いともに良好な値が得られ,歯科鋳造の可能性が示唆された。今回は,この鋳造した磁性ステンレス鋼SUS447J1に各種熱処理を施し,それが磁気特性に与える影響や,吸引力測定によって,吸引力に与える厚さの影響を検討した。また熱処理によって,本系合金に特有で,合金の磁気特性,耐食性を低下させる可能性があるσ相が鋳造体内に生じるか否かもX線解析を行った。そして今回行った実験結果から,諸特性を検討すると,鋳造のままでも磁性ステンレス鋼SUS447J1の臨床使用は可能と思われるが,熱処理を施す必要性もあると考えられた。
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16
ハイコレックススリムを用いたネジ式歯根挺出装置の試作
○菅野太郎,依田正信,木村幸平,菊地聖史*,奥野 攻*,古谷 匡**
東北大学歯学部歯科補綴学第一講座
*東北大学歯学部歯科理工学講座
**日立金属株式会社磁性材料研究所
現在,歯科臨床では,歯肉縁下に深いカリエスがあり,良好な生物学的幅径を得るためや,骨縁下ポケットを改善するため,歯牙の挺出が行われている.この挺出に用いられる矯正力には,ワイヤ−やエラスティックのほか,最近では磁力を用いた装置が応用されるようになってきた.
そこで我々は,磁性アタッチメントとして臨床に広く応用されているハイコレックススリムに,金属製ネジをレ−ザ−溶接した歯根挺出装置を試作した.この装置は,従来のネジ式磁石歯根挺出装置の特徴をもつほかに,挺出歯を根面板に使用する場合,挺出後,装置のネジを切り取ることによって磁性アタッチメントとして再活用できる特徴を有している.今回は,挺出に必要な矯正力,間隙と吸引力の関係,および,若干の臨床例などを検討・紹介し,この試作装置の有用性について考察した.臨床例においては,良好な結果が得られたが,今後,この試作装置をより実用的なものにするには,若干の問題点もあることがわかった.
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17
金属床義歯における磁性アタッチメントの使用状況
○只腰哲章,星合和基,田中貴信,金澤 毅,森 昭一郎,野崎乃里江,藤井彰子,高橋研省
愛知学院大学歯学部歯科補綴学第一講座
磁性アタッチメントは、部分床義歯の支台装置として多用されている。この支台装置の価値を確認するためには、臨床的使用状況の実態、あるいは長期的な予後調査等を通して、既存の支台装置と比較することが必要と考えられる。このような観点から、我々は多様な調査結果を報告してきたが、今回はその内の金属床義歯に使用された磁性アタッチメント”マグフィット”に関して報告する。今回の調査期間は、1993年5月から1999年7月までの6年2カ月間で、調査内容は、アタッチメントの使用個数、支台歯の歯数、義歯床材料との関係、義歯形態との関係及び、ほかの支台装置との併用状況などである。その結果、全499床中、金属床義歯は75床であり、これらに用いられたマグフィットは198個であった。また、1床当たりの平均使用個数は、金属床では2.44個、レジン床では1.47個であるなど、長期的利用を前堤とした金属床においても磁性アタッチメントが活用されていることが確認された。
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18
スリランカにおける磁性アタッチメント
−JICA(国際協力事業団)歯学教育プロジェクトに参加して−
○曽根田兼司,水谷 紘,大山喬史
東京医科歯科大学歯学部歯科補綴学第一講座
ペラデニア大学は1942年6月にセイロン大学として設立され,現在7学部(農・文・工・理・医・歯・獣医)を有するスリランカ最大の大学である.歯学部は同国で唯一の歯科医師養成機関であって,これまで約1,400名の卒業生を輩出している.しかし,1950年代より使われている学部,病院の建物等の老朽化が進み,近代的な歯学教育・歯科技術研修が行えない状況にあった.そんな中,日本のODAによって歯学部の新築と技術協力が行われることとなり、徐々にその姿を変えつつある.演者の一人曽根田は1998年5月より1年間,歯学教育プロジェクトにJICA(国際協力事業団)より長期専門家として派遣され,補綴歯科学の技術協力に携わる機会を得た.途上国では義歯の維持装置として磁性アタッチメントは有用性が高いと考え,ポストグラジュエート研修や学会等で紹介したところ,学部教官ならびに開業医より非常に大きな反響を得たので,ここにその概要を紹介したい.
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19
着脱法を考慮しヒンジを組み込んだ義歯
○阿部 實,水野行博,細井紀雄,米山喜一,松本靖之
鶴見大学歯学部補綴学第一講座
クラスプ義歯の着脱方向は、通常咬合平面に対して垂直方向が基本となる。これは患者にとって、必ずしも着脱しやすい方向とは言えず、実際には無理な着脱動作による為害的な側方圧が支台歯に作用する場合がある。そこで、遠心端にヒンジを用いた分割義歯により、ヒンジを中心とした回転方向に着脱方向を規制し、着脱しやすく為害的な側方圧を軽減する設計を試みた。口腔内で分割義歯の両パーツが分離しないための維持・固定を目的に磁性アタッチメントを使用し、咬合力が直接磁石には加わらない設計とした。本症例は、右下76欠損による咀嚼障害を主訴に来院した患者で、初診時59歳の女性である。装着後約5年の経過観察を行い、概ね良好に使用されているが、リライニングの困難性などの問題点も明らかになった。
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