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fig.4では骨形成の分化の指標とされているオステオカルシンを抗体染色し、測定した。T3を投与して曝磁したものが最もオステオカルシンの発現がみられた。
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また薬剤に対しての曝磁の効果を調べるためにfig.5、fig.6の実験を行なった。fig.5は増殖期の細胞に増殖を促進する薬剤PMA(phorbol
myristate
acetate)を投与し、fig.6は分化期の細胞に分化を促進するc−AMPを投与してそれぞれ分化の指標であるALP活性を測定した。fig.6において、有意な差は出なかったが、薬剤を投与して曝磁を行なうと影響が現れる傾向にあることが示唆された。
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IV 考 察fig.3・4の結果から曝磁とT3による分化誘導機構は異なっていることが分かった。T3は細胞の核に直接的に影響していることが知られていることから、曝磁は核には直接的には影響せず、PKC活性を抑制して分化を誘導していることが示唆されるが、今後詳しく調べる必要がある。またfig.5・6の結果からELF磁界は骨芽細胞の分化を誘導する薬剤効果を促進する傾向がある。V 結 論ELF磁界は分化を誘導するがその機構はT3と異なり、直接細胞核には影響せず、PKC活性を抑制して分化を誘導していることが分かった。またT3を投与して曝磁を行なうと相加的な効果が得られた。またELF磁界は細胞の分化を促進する薬剤の効果を促進する傾向がある。今後はfig.7に示すようにオステオカルシンのmRNAを測定してより詳しく曝磁の影響を調べていきたい。 |
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文 献1) F.Varga,M.Rumpler,E.Luegmayr,Fratzl-Zelman, H.Glanschning,K.klaushofer:Triioothyronine,a Regulator of Osteoblastic Differentiation:Depression of Histone H4,Attenuation of c-fos/c-jun,and Inducation of Osteocalin Expression,Cslcif.Tissue Int(1997)61:404-411,1997 2)Kashimoto H.,Ikehara T.,Park,K.H.,Kinouchi,Y., Hosokawa K.,Yamaguchi H.,Yoshizaki K.,Miyamoto H.:Effects of switched strong magnetic field on Ca2+release from intracellular vesicles of cultured chromaffin cells,BEMS abstract book June 20-24,1999連絡先 |
中野 芳子 Yoshiko Nakano E-mail :(質疑応答の受付は終了いたしました。) 質疑応答 [0001] 新谷洋人 (徳島大学工学部 ) HirohitoShintani (Faculty of Eng., Tokushima Univ. ) 骨形成に及ぼすELF交流磁界の影響大変興味深く読ませて頂きました。 初歩的な質問で申し訳ないのですが、近年、強磁界の影響で白血病や癌になる可能性があるという研究がなされている一方で、骨折治療のために磁界を照射するといったことが行われていますが、両者の磁界の強度にはどの程度の差があるものなのでしょうか、また骨折治療のための磁界照射には危険はないのでしょうか、お教えください。 --- Thu Feb 14 20:33:03 2002 [0002] 中野芳子 (徳島大学工学部 ) Yoshiko Nakano (Faculty of Eng., Tokushima Univ. ) yoppan48@ee.tokushima-u.ac.jp ご質問ありがとうございます。 白血病や癌などの疫学調査はアメリカやスウェーデンで、主に送電線の下で行ったものがあります。そういった疫学調査では0.2μTくらいの磁界の強さを対象にしているのに対して、今回私どもが行った実験では3mTという強い磁束密度を骨の細胞にあてて影響を調べております。磁界曝露による骨折治癒のメカニズムは未だ解明されておりませんが、私どもとしては、今回の実験でも骨の細胞の分化を誘導しているのではないかと考えてはおります。今後さらに骨芽細胞に対するELF磁界の影響を調べ、追求していくつもりです。 --- Thu Feb 21 16:04:53 2002 インターネット・ポスターセッションの入り口へ戻る |